わたしと苦

　〝苦〟できれば、避けて通りたい言葉です。
　これは、私だけではなく、誰しもが、思うのではないでしょうか。
　でも、突き詰めていくと、〝苦〟は避けて通る事ができません。どのような形にせよ、いずれ直面していかなくてはならないのです。厄介ですが。
　そして又、人それぞれ、いろいろな苦しみを持つ中で、人間である以上避けられない共通の苦しみが幾つもあります。
　その苦しみと向かい合い、克服を目指したのが、〝仏教〟のはじまりなのです。
　実のところ、〝仏教〟は、人間として生を受けたその日からの、この私がかかえている〝苦〟がある故に存在する教えといってもよいのかもしれません。何やら得体のしれない、まだまだ私には関係ないよ、というものではないようです。